こんにちわ2021年10月号 県境の壁 院長 風谷幸男
県境は行政上の境界線にすぎず、遮るものは何もありません。平和な日本では、最近まで、国内であればどこへでも自由に行き来きすることができました。このことを、私は特別なことではなく当然のことと思い込んでいました。
それなのに、あゝそれなのに、今は県境に目に見えない高い壁が存在し、安易に超えることができません。私事ですが、2019年12月以降、県外に出たことがありません。自家用車で県境付近まで行ったことはありますが、目の前の県境を超えることはできませんでした。同じ空間なのに、当院のルールでその先に行くと大変なことになるからです。楽しくないですし、時には困ることもあります。
コロナ禍にあって、当院の職員は愛媛県内に留まり、日々の健康観察に加え日常生活も厳しく律しています。訳あって県外に出るときは上司の承認を得るとともに、感染拡大地域から帰県すると一定期間出勤停止になります。これが医療を提供する者の心構えであり、私たちはこのようにし患者さんをお迎えしています。医療以外の業種の方々も感染予防策を施し様々な制約の下で仕事をされていることと思います。
誰もが日常の生活活動を制限せざるを得ない不条理な事態を早く終息させなければなりません。その切り札の一つがワクチンです。第五波のさなか、高齢者のコロナ感染が少ないことを見ればワクチンの効果は明らかです。ワクチン接種は当院の重要な役割の一つであり、これからも全力投球してまいります。