骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の検査を受けよう 整形外科主任医長 福田 高彦(こんにちわ2024年4月号)
みなさんこんにちは。7年ぶりに西条中央病院に復帰しました。宜しくお願いします。今回は骨粗鬆症についてお話をします。
まず骨粗鬆症ですが、バランスの良い食事、適度な運動、日光浴といった予防はとても大事です。ですが、残念ながら女性の方は特にホルモンのバランスが閉経後に崩れるので、ほとんどの人が骨粗鬆症になってしまいます。程度としては患者さんによって様々ですので、最近は65歳を過ぎたら骨粗鬆症の検診を受けたほうが良いとされています。昔に比べると骨粗鬆症の知名度も上がり、健診を受ける方も増えてはいますが、愛媛県はまだ受診率が全国的に見てもかなり低いです。最近腰が曲がってきた、身長が縮んできたという方は男女問わず、骨粗鬆症に伴う、「いつの間にか骨折」をきたしている可能性があるので、ぜひ検診を受けてみてください。
骨粗鬆症の治療薬も最近は色々と増えてきており、患者さんの日常生活サイクルや希望に合わせた治療が行いやすくなってきています。勿論、検査の結果次第ではご希望に添えない事もありますが。
骨粗鬆症の治療薬には大きく二つあって、骨吸収抑制薬(骨を壊す力を抑える薬)と、骨形成促進薬(骨を作る力を強くする薬)に分かれます。
飲み薬は基本的に前者で、昔ながらの薬であることが多いです。注射には前者のものと後者のものがありますが、最近は特に後者の薬が開発されてきており、高い効果を示しています。
かつてはそのような薬は、インスリンのように自分で注射して頂く薬が多かったのですが、最近は病院で月に1回打てば良いものも登場しています。コスト面などでは高くなってしまうのですが、飲み薬よりは効果が高いことが多いので、特に骨密度が低くなっている方にはお勧めです。
骨粗鬆症は元気なうちは気にならないかもしれませんが、それによって骨折してしまってから後悔しても遅いです。甘く見ないようにしましょう。
整形外科 主任医長 福田 高彦