こんにちわ2021年9月号 骨粗鬆症について 整形外科部長 竹田治彦
日本は超高齢社会に伴い、骨粗鬆症の患者さんが多くみられます。一方で骨粗鬆症治療はこの20年間余りで日々変化しています。今日はその骨粗鬆症治療の話をします。
前提としてその他の生活習慣病と同様に骨粗鬆症も日々の生活習慣への配慮は重要です。公衆衛生における健康3原則に運動、栄養、休暇があります。運動、栄養、休暇はそれぞれが連鎖していると言われます。筋トレ(運動)をしている人がプロテイン(栄養)を摂取することがあれば、有酸素系で運動している人も食事や睡眠(休暇)?を意識している人がいると思います。骨粗鬆症で準えれば、散歩(運動)、カルシウム摂取(栄養)、日光浴(ビタミンDの活性化、休暇?)にあたると思います。骨粗鬆症においても同様にその3原則は繋がっているかもしれません。それゆえに行動変容して散歩、カルシウム摂取、日光浴のどこからか始めてみて下さい。
さて、骨粗鬆症治療についてです。20年余り前の骨粗鬆症治療は国内では活性型ビタミンD3製剤が中心で、米国では女性ホルモンが使われていました。その後ビスフォスフォネート、SERM、副甲状腺ホルモンペプチド、抗RANKL抗体、抗スクレロスチン抗体製剤等様々な薬剤が処方されるようになりました。それぞれが効果のみられる薬です。今日の骨粗鬆症治療薬で特徴的なことはコンプライアンスに合わせてその剤型を錠剤、ゼリー状製剤、皮下注射、静脈注射製剤等選択出来ることと投与間隔が薬によって毎日製剤、週2回、週1回、月1回、半年に1回、年1回と様々な選択肢があることです。これほど治療薬の剤型や投与間隔に選択肢がある疾患は多くありません。言い換えると骨粗鬆症治療は個人に合わせた治療が出来ることが特徴と思います。
以上、骨粗鬆症の話でした。骨粗鬆症が気になる方やお困りの方は受診して気軽に相談してください。