こんにちわ2020年12月号 ロービジョンケアについて 眼科部長 松岡美紀子
ロービジョンとは、何らかの原因により視覚に障害を受け、「見えにくい」「まぶしい」「見える範囲が狭い」など、日常生活における不自由さをきたしている状態を指します。
たとえばこれが白内障による視力低下であれば、手術を行うことで視力の改善が期待できますが、網膜色素変性症などの難病における視覚障害や、緑内障による視野狭窄などは、現時点では治療による視機能の改善は見込めません。また、加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症などの疾病においても、治療を行っても視覚障害が残ってしまう場合もあります。
このような場合に、残っている視機能を最大限に活用し、また、様々な補助具を利用して、可能な限り快適な生活を送れるように支援する眼科医療や福祉のことをロービジョンケアといいます。
たとえば、文字を見やすくする拡大鏡や、まぶしさを軽減する遮光眼鏡などのほか、最近では多くの人が持っているスマートフォンやタブレットの機能やアプリを利用する方法などもあります。
当院では、ロービジョン外来は特に設けておりませんが、日常の外来診療の中でこのようなご相談にも応じておりますので、受診の際にご相談ください。(細かい装具の選定などは、後日、予約でゆっくりと時間をかけて行います)