こんにちわ2020年6月号 お父さんの仕事は? 循環器内科部長 入田純
ある朝の事、子供に「お父さんの仕事は当直だよね」と言われました。???、なんだと思っていたら、そう言えば「明日当直だから」という妻との会話を聞いて覚えていたのでしょう。そうか、お父さんの仕事は当直か(笑)。いつもなら当直日の朝は気が重いのですが、その日だけは、病院に向かう自分の気持ちが少し軽くなったことを覚えています。
西条中央病院は、救急隊により搬送される傷病者に関する医療を担当する二次救急医療機関です。当院は年間約1100台の救急車を受け入れており、2019年度は内科医5人で月10回程度の内科系二次救急医療を分担しておりました。救急担当をした翌日も、休むことができないことが多く、そのまま午前は外来診療、午後からは入院患者の対応、カテーテル手術など、結局家路に着くのは当直翌日の夜ってことは日常茶飯事です。当院の内科医師はおじさんばかりですが、驚くほど元気な方が多く、西条市の救急医療を支えている自負があります。
ただより良い医療を提供するためには、日々勉強はもちろんのこと、当然元気で健康でなければなりません。近々の課題としては医師の確保や増員であり、当院においても基幹型臨床研修病院として初期研修医教育に力を入れ、独自の医師募集や大学医局への働きかけなど行っているものの、残念ながら今後もしばらくは内科医師が増える見込みはなく、現行体制で救急医療を維持することになります。その中でも今年度初めてレジデントとして働いてくれる若い循環器内科医師2名がいることは、一筋の光明といったところでしょうか。
厚生労働省等にて、医師の働き方改革について議論が始まっていることはさておき、この原稿を書いている現在、新型コロナウィルス感染症によって、医療機関の緊張度も極限状態ではありますが、西条市の二次救急医療機関としての役割を果たすべく、院長を中心に私たちも試行錯誤している状況です。
そう言えばつい最近また子供から言われました、「お父さんの仕事は心臓だよね」。おっ、少し成長したかな。