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2019-09-01

こんにちわ2019年9月号 ロコモティブシンドローム 整形外科医長 中田浩史

 “終活”が流行語大賞にノミネートされてから5年以上が経ち、老後や今後の生活について悩まれている方も少なくないと思います。「旅行に行きたい」「趣味を生涯続けたい」等々人それぞれにやりたいことはあると思いますが、その前提として健康でいることが重要です。実際、健康で日常生活を送れる期間(健康寿命)は平均寿命よりも男性で9年, 女性で12年短いとされています。

 “メタボリックシンドローム”は心筋梗塞や脳卒中等の原因となる動脈の老化(動脈硬化)の発生と進展防止を目標とした一連の状態を指します。対して、骨や関節や筋肉が衰えて立つ・歩くといった機能(移動機能)が低下した状態を“ロコモティブシンドローム”と言います。2016年の統計では、支援や介護が必要となった原因のトップは転倒・骨折や関節の病気とされています。

 ご自身がロコモティブシンドロームに該当するのかどうか、次の方法で確認できます。(実践される場合は無理はせず、痛みが出たり転倒しそうになる場合は中止して下さい。)①40cmの台に腰かけた状態から反動をつけずに片脚で立ち上がれますか? ②大股で2歩歩いた距離が身長の1.3倍(おおよそ手を伸ばして横になった状態で指先から足先までの距離)以上ありますか? いずれかが該当した場合、移動機能の低下が始まっている可能性があります。また痛みやしびれの有無や、普段の生活での困難さからもロコモ度は計算できます(ロコモ25)が紙面の都合で割愛させて頂きます。詳細はロコモティブシンドロームでご検索下さい。

 ロコモティブシンドロームにならないために、そしてなってしまってからでも、毎日たった2つの運動(ロコトレ)で移動機能は改善できます。それは「片脚立ち」と「スクワット」です。人それぞれの状態に応じて無理なく続けられるやり方で行うことが重要です。1日の目安は、「片脚立ち」が左右1分ずつ1日3回、「スクワット」が深呼吸するペースで5-6回を1日3回です。痛みやしびれで運動ができない方は、整形外科でご相談下さい。一緒にいつまでも元気な足腰を手に入れましょう!

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