こんにちわ2018年12月号 高尿酸血症(痛風)について 整形外科部長 竹田治彦
今日の話題は高尿酸血症(痛風)についてです。
高尿酸血症の話ですが、十数年前の当紙面「こんにちは」の中で当時の西条中央病院の整形外科の松本先生が分かりやすく説明・解説されました。十年ひと昔、ここで再び、今の高尿酸血症の治療について紹介します。
さて、高尿酸血症は尿酸代謝に関する疾患です。以前は食生活での贅沢(ぜいたく)病?のイメージでしたが、今日の米国内の学会では食事指導の是非について言及されていたり、基礎医学の中でも様々なことが分ったり、単純なものでもないようです。
高尿酸血症の治療の歴史は細かいところは省いて「コルヒチン」という薬に端を発します。痛風発作前兆の治療で有名な「コルヒチン」ですが、今では世界的にみるとフランスでは使用されることもあるようですが、特にカナダや日本では余り使用されていません。近年の痛風発作の治療は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)またはステロイド内服で、NSAIDsパルスという治療もあります。外来でご相談ください。
一方で、高尿酸血症の尿酸代謝の治療薬は大きく分けて2つ、尿酸排泄促進薬と尿酸合成阻害薬があります。これまでの薬では尿のアルカリ化のこと、尿酸合成阻害薬では腎機能障害の壁がありました。今日、日本発の新しい尿酸合成阻害薬が開発されて腎機能障害の副作用の壁が改善されて、それらの薬で多くの患者さんが現在の高尿酸血症治療のガイドラインの基準に収まる治療が出来るようになりました。
最後に、高尿酸血症治療のガイドラインの歴史は日本から先駆けて始まりました。高尿酸血症の治療は今も日進月歩です。これからも高尿酸血症の患者さんの一人でも多くの人に福音を届けたいです。