こんにちわ2017年4月号 新しい専門医制度について 副院長 外科 小野仁志
今年も桜の季節がやってきました。新年度ということで、医学界の新しい専門医制度について説明したいと思います。
いままで医師は、医学部卒業後、国家試験に合格し、医師免許を取得した後に、2年間の初期臨床研修を終了すれば、内科や外科など、どの診療科を選んでもよく、指導医、専門医、認定医などの資格も複数の科にまたがり、取得可能でした。開業する場合も、一つの診療科目では無く、複数の診療科目を標榜することが一般的でした。
しかしながら、マスコミではまだ話題になっていませんが、現在新しく進んでいる『新たな専門医養成の仕組み』では、新しく医師になるものは、初期研修が終わった後、次の19科目のうち、一つの専門医を目指すこととなります。内科・小児科・皮膚科・精神科・外科・整形外科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・脳神経外科・放射
線科・麻酔科・病理・臨床検査・救急科・形成外科・リハビリテーション科・総合診療科の19科目です。
この専門医制度は、選択科目毎に、大学病院など大病院が中心となり、複数の地域病院と共にグループを作り専門研修をすることで、新しい専門医を作る制度です。それぞれの診療領域において適切な教育を受けて,十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できるようになる制度とのことです。厚生労働省と第三者機関日本専門医機構により、平成30年度4月より制度の開始が見込まれていますが、利点欠点については、今後の歴史が証明することになるのでしょうか?
当院としては、引き続き専門医を持続的に確保し、病院機能を維持することが重要と考えている次第です。