感染対策室よりお知らせ
2019年12月、突如発生した新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界中に感染が拡大し、今なお多くの人々が苦しめられています。私たちの身近にも感染の波が近づき、日本での新規感染者は累計100万人を超えています。
感染者の増加に伴い当院では、玄関トリアージや発熱外来の開設、入院患者様の面会制限などの感染対策を行い、患者様やご家族、地域の皆様には大変ご不便をおかけしております。
また、私たちの日常生活おいても行動制限やマスクの着用など不自由な生活が続いています。こんな生活はいつまで続くのか、コロナワクチンを接種したからもうマスクを外してもいいのではないかと思われる方もいるかと思います。しかし、相手は見えない敵、形を変えながら繰り返し私たちに襲いかかってきます。そんなとき、大きな被害を受けるのがワクチンを接種できていない小さな子供や重症化しやすい高齢者、持病をお持ちの方々です。その人たちを守るためにも、マスクの着用や人々の行動制御は重要な感染対策です。
当院には二人の感染管理認定看護師が在籍し、医師や薬剤師、臨床検査技士など多職種で連携して感染制御チームを編成し、院内あるいは地域の皆様を感染から守るべく活動しています。
先日、愛媛県から委託を受けた看護協会からの要請により、保育施設で勤務する職員を対象に感染防止対策研修を行いました。東予地域の保育施設から27名の参加があり、感染対策の基本的知識をはじめ、新型コロナウイルス感染症の予防対策やその他の感染症に対する対策についてもお話ししました。
参加された方々はみなさん積極的に研修に参加され、熱心に講義を聴かれた後でもたくさんの質問があり、その情熱というかパワーに少し圧倒されました。保育施設のみなさんの小さな子供を守る責任の重さが伝わってきました。
研修の中で特に好評だったのが、手指衛生の演習でした。手洗いチェッカーを使用して、日頃の手洗いでどれくらい汚れが落ちているのかを確認してもらいました。「きちんと洗っているつもりなのにこんなに汚れが残っている」などの反応があり、自身の手洗いの癖や洗い残しを視覚で知ってもらうことができ、有意義な研修になりました。この手洗いチェッカーによる演習は、当院でも新人看護師対象に毎年、研修を行っていますが、保育施設の方々の反応がとても良く、研修を行っているこちらまでモチベーションが上がりました。
このような研修を私たち認定看護師は、『出前講座』として行っています。保育施設以外にも高齢者施設、その他一般の企業の方など、「感染対策についてもっと知りたい」などのご要望があればご連絡をください。新型コロナウイルス感染症の予防対策以外にもインフルエンザやノロウイルスの感染予防対策など、ご希望の内容にお答えいたします。
出前講座メニュー表
①感染対策の基本 |
・感染症のいろいろと基本的な予防対策 |
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②職場内・施設内(保育施設・高齢者施設)で必要な対策 | ・環境清掃と消毒 ・排泄物の処理方法 |
③新型コロナウイルス感染症の予防対策 | ・感染症の基礎知識と予防対策 ・職場内で発生したときの対応など |
④インフルエンザの予防対策 | ・予防対策の基本 ・集団発生したときの対応など |
⑤感染性胃腸炎の予防対策 | ・ノロウイルス感染症の対策 ・環境清掃と消毒 ・吐物、排泄物の処理方法など |
⑥その他の感染症の予防対策 |
新型コロナウイルス感染症は、病気が発見されてからの時間の経過が短く、予防する対策はわかってきましたが、治療薬は開発の途中です。ワクチンを2回接種した人でも感染することもありますが、ほとんどが軽症で済むといわれています。しかし、自分や周りの人を守るためにもマスクの着用や手指衛生、感染者が増加してきたときには行動制限は必要です。まだしばらくの間、感染対策へご協力をお願いします。
感染管理認定看護師 千塲美保子