画像診断の時代~放射線科医の役割~ 特任副院長 放射線科 二宮 克彦(こんにちわ2023年10月号)
メディカル教育出版発行 こんにちわ2023年10月号より
画像診断の時代 ~放射線科医の役割~
放射線科医の仕事を皆さんご存じでしょうか?近年画像診断がめざましい発展を遂げましたが、その読影を担っているのが放射線科医です。画像診断はCT、MRI、胸部レントゲン写真、エコー検査の他、広い意味では内視鏡(胃腸カメラ)も含まれるかもしれません。当科では胃カメラや大腸カメラ検査も数多く行っていますが今回はCT、MRIの画像診断についてお話しします。
近年の医療の最大の進歩の一つが画像診断と言われ、今やCT、MRIなしでは医療は成り立たないと言っても過言ではありません。救急疾患やガンの診断に両者は必須で、治療方針に決定的な役割を果たしています。私が放射線科医に成り立ての頃は、CTやMRIの件数は現在と比較にならないほど少なかった時代で「画像診断医」なる言葉もありませんでした。今では頭のてっぺんからつま先までの全身の画像が数多く撮影されるようになり、短時間に大量の画像を読影するためにモニター診断が行われています。一昔前は画像をフィルムに焼いて、それを並べて読影していましたが今ではとても考えられないことです。
放射線科はCT、MRIの画像所見をレポートとして各科に届け、各科の医師はそれを参考にほかの臨床所見もあわせ患者さんに結果を説明しています。「縁の下の力持ち」と言ってよいかもしれません。短時間に数多くの画像所見をつけねばならず、診断の難しい症例に頭を悩ませることもありますが、レポートが診断や治療方針決定に役立つことができたと実感できたときはやりがいを感じています。
診療における画像診断の重要性は増加する一方で責任の重い仕事です。常に最新の知識にリフレッシュし病院の医療レベルを向上させ、患者さんの診療に貢献していきたいと考えています。
特任副院長 放射線科 二宮 克彦