ステントレスはいいかも 循環器内科部長 入田純(こんにちわ2023年11月号)
ステントレスはいいかも
心臓血管である冠(かん)動脈(どうみゃく)のカテーテル治療(PCI)に関して、近年、色々オプションが増えました。今までは、狭窄(きょうさく)した冠動脈にはステントを留置して治療を行うことがほとんどでしたが、最近はステントレスPCIも行われるようになってきてます。普通のバルーンで拡張するだけでは、かなりの確率で再狭窄を来すためステント様の登場で、特に薬剤溶出性ステントによって、再狭窄に悩まされることは少なくなってきました。さらに10年前から使用されるようになった薬剤コーティングバルーンでも、再狭窄率を低下させることが期待できます。当院においても、ここ数年でこの薬剤コーティングバルーンを使用する頻度が増えてきました。基本はステント留置をまず念頭に治療を行いますが、ステントを置くには少し小さい血管であったり、ステントを留置したとしても十分な拡張が得られない場合や、出血リスクの高く、早めに血をサラサラにする抗血小板薬を減量したい場合などは、ステントレスPCIを行うことを第一に考えます。「異物を体の中に残さない」って、すごく聞こえはいいですが、使用され始めて10年程度の治療、今後の長期使用成績はまだまだ不明ですので、十分適応を考えて、治療を行うように心掛けております。主治医ベースで治療法が選択されることが多いですが、もし興味があるなら一度主治医に相談することもありかもです。
世間ではコロナ禍から、今までの日常に戻りつつある印象ですね。私個人もこの数年、医療従事者であることもあって、日常生活をかなり制限してきました。まだ緩めることはできないなと思いつつ、今年の夏は恐る恐る2つのライブに参加してきました。前のコラムで趣味はないと言っておりますが、人並みに音楽も楽しんでおります。昭和歌謡から成長はできませんが、少し緊張し、正直コロナに怯えながらのライブ参加でした。一つは僕の大好きなアーティストさん、その短時間だけ気が付けば我を忘れてロックンロールを味わい、もう一つのライブは死ぬまでに一度は行ってみたかったミュージシャンのライブ、還暦を迎えたその方の美声に酔いしれました。「大好きなロックンロールバンドが愛媛にやってきてくれて」、大きなパワーをもらい、自分の医療「performance」をさらに向上させていこうと、少し力がみなぎってきた気もします…。どのアーティストのライブに行ったか、分かる人には分かるかもですね。でも余りつつかないでください(笑)。
循環器内科部長 入田 純