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2024-07-31

GLP-1による健康被害 健康管理センター長 藤原正純(こんにちわ2024年8月号)

GLP-1による健康被害

 糖尿病治療薬で最近やせる効果で注目を浴びているGLP-1(グルカゴン様蛋白)受容体作動薬は、患者によっては消化器症状(便秘・吐き気・嘔吐・腹部膨満・腹痛など)の有害事象が起こるリスクがあることが懸念されています。

 あくまで海外において減量目的で薬剤を使用した非糖尿病患者を対象とした初の大規模調査で、GLP-1受容体作動薬の使用により、膵炎のリスクが9.09に、腸閉塞のリスクが4.22倍に、胃不全麻痺のリスクが3.67倍に、それぞれ上昇することが判明しました。カナダのブリティッシュコロンビア大学が、約1,600万人の米国人の健康保険請求記録を調査した結果です。我が国に於いては高血圧症・脂質代謝異常症・2型糖尿病のいずれかがあり、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限られています。痩せたいと云う願望、美容目的では使いません。

 全く安全に痩せられると云う事はありません。痩せないと重大な健康被害が出る恐れがあり、自分ではどうにもならない場合に、重大な健康被害が起こるよりは、副反応も覚悟の上でGLP-1を使用した方が良いと考える場合に用いる様です。夕食を大幅に減らすなど自己管理での減量がより安全です。そもそも全く安全な薬と云うのは、ほぼありません。薬の良い面、悪い点、両方引き受ける事になります。ご自分の都合の良い所を作用と云い、不都合な所を副反応と表現しているに過ぎません。
両者併せ持ったのが薬と考えられます。
BMIが27㎏/㎡以上で左記の内、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する場合
BMIが35㎏/㎡以上
※肥満に関連した健康障害とは以下の記載があります。

1耐糖能障害 (2型糖尿病・耐糖能異常など)
2.
脂質異常症
3.
高血圧
4.
高尿酸血症・痛風
5.
冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)
6.
脳梗塞・一過性脳虚血発作
7.
非アルコール性脂肪性肝疾患
8.
月経異常・女性不妊
9.
閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
10.
運動器疾患 (変形性関節症[膝・股関節・手指関]、変形性脊椎症)
11.
肥満関連腎臓病

 

健康管理センター長 藤原 正純

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