医療機関向け広報誌「まんなか」11月号 心不全のスペシャリスト
【池田教授インタビュー全文】
Q1.プロフィールを教えてください
・これまでの経歴
1966年12月愛媛県(生まれは松山、幼少期今治、その後南予)生まれです。1992年に愛媛大学医学部卒業し、愛媛大学医学部附属病院にて臨床研修開始し愛媛県立中央病院救命救急センター、国立療養所愛媛病院(現愛媛医療センター)で研修の後、1995年4月から大学院に入学、博士号を取得しました。1999年4月から県立南宇和病院、2002年6月からは市立宇和島病院で14年間活動しました。2016年1月からは愛大附属病院循環器病センター講師、准教授を経て2017年4月から 循環器病センター長を勤めました。2020年からは愛媛大学地域救急医療学講座へそし2023年9月からは現在の心不全治療学講座に勤務しております。
・所属学会
日本内科学会
日本循環器学会
日本心不全学会
日本心血管インターベンション学会(CVIT)
日本経カテーテル心臓弁治療学会
日本心臓血管内視鏡学会
日本老年病学会
・資格
臨床研修指導医・臨床研修プログラム責任者
日本心不全学会「植え込み型除細動器/ペーシングによる心不全治療」認定医
経カテーテル的大動脈弁置換術指導医
日本内科学会 総合内科専門医、内科指導医、
日本循環器学会 専門医、フェロー
日本心血管インターベンション学会(CVIT) 専門医・指導医
日本心臓血管内視鏡学会 専門医・指導医
日本老年病学会 専門医・指導医
・趣味
音楽鑑賞と読書。音楽は洋楽のポップスやクラシックが好きです。読書は最近できていません)
Q2.今までの実績
1999年から2015年12月までは県立南宇和病院と市立宇和島病院で循環器内科の臨床(特に循環器救急医療、カテーテル治療)を行いました。2016年1月からは愛媛大学第2内科において成人循環器グループのチーフとして入院患者の診療・統括を行いました。加えて2016年1月より循環器病センター副センター長、また2017年4月からはセンター長として2020年4月からは地域救急医療講座にて愛大附属病院と市立八幡浜総合病院にて循環器救急やカテーテル治療を行いました。大学病院では弁膜症に対するカテーテル治療(経カテーテル的大動脈弁留置術や僧帽弁クリップ術)を行っています。
Q3.得意としている分野
循環器内科(虚血性心疾患・心不全・デバイス治療)
カテーテルインターベンション(冠動脈疾患・構造的心疾患)
心不全のデバイス治療など。
Q4.愛大で現在積極的に取り組んでいること
愛媛県の高齢者率は高く、心不全による死亡率も高率です。心不全に対する薬物療法や非薬物療法ともにここ最近長足の進歩を遂げています。愛大病院では冠動脈カテーテル治療や弁膜症に対するカテーテル治療、また心不全に対する先進医療(心移植:中四国初。日本移植学会から移植認定施設として11番目に認定。)、特に低侵襲治療を行っています。また研究では地域に根差した心不全に関する新たな問題点の発見と解決に向けた臨床研究が必要であると考えており、地域からのエビデンスを構築したいと考えています。これから益々増えるであろう高齢者の左室駆出率(EF:66%が正。50%以上が保持された心不全。50%以下が保持されていない心不全)の保持された心不全の疫学並びに臨床データを用いた研究を行いたいと考えています。
Q5.西条での当院の強みやアピールポイントは
西条中央病院は循環器診療に優れ、特に冠動脈インターベンションでは症例も多く、通常のステント治療に加え石灰化病変にたいするロータブレーターやダイアモンドバック、冠動脈内石灰化超音波破砕術等複雑病変に対するする治療も積極的に行っています。またリードレスペースメーカーなどの低侵襲手技も得意としています。冠動脈疾患やペースメーカー適応の症例がありましたら紹介をよろしくお願いします。
Q6.当院で積極的に取り組んでいることや今から取り組んでいきたいこと
愛媛県での高齢化の進行による心不全年齢調整死亡率の高止まりと心不全診療にあたる専門医不足に対応するために“心不全治療学講座”が昨年から設置されました。西条中央病院を拠点として、愛媛大学医学部循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座との連携により西条医療圏における心不全を中心とした循環器診療や市民への啓発活動また教育・研究に取り組み愛媛県全体の地域医療充実を目指してまいります。
Q7.ぜひとも紹介いただきたい症状・所見
胸痛や動悸、息切れまたむくみなどです。また診療でお困りの症例があれば紹介いただけたら幸いです。
Q8.クリニックの先生へメッセージ
心不全パンデミック時代を迎え専門医不足が深刻な西条医療圏域において心不全を中心に最先端の循環器診療を行い、愛媛大学附属病院との連携により地域の医療レベルの更なる向上に努め心不全に対する先進医療・低侵襲治療を推進してまいります。西条中央病院は循環器診療に優れ冠動脈インターベンションでは通常のステント治療に加え石灰化病変にたいするロータブレーターやダイアモンドバック、冠動脈内石灰化超音波破砕術等複雑病変にたいする治療も積極的に行っています。
心不全や冠動脈疾患の症例がございましたら是非ご紹介、ご相談いただければと存じます。
【宮﨑医師インタビュー全文】
Q1.プロフィールを教えてください
・これまでの経歴
1988年1月西条市生まれです。西条高校出身で、一浪して愛媛大学医学部医学科に入学しました。2013年に愛媛大学医学部を卒業し、市立宇和島病院にて初期研修・後期研修を5年間行いました。その後、妻(糖尿病・甲状腺・代謝内分泌内科医)の国内留学についていく形で大分県別府市の大分県厚生連鶴見病院に1年間勤務し、その後西条中央病院での1年間の勤務をへて、2020年4月より愛媛大学医学部付属病院に勤めています。2021年より大学院に入学し、現在大学院4年生です。2023年9月より心不全治療学講座助教として勤務しております。
・所属学会
日本内科学会
日本循環器学会
日本心不全学会
日本心血管インターベンション学会(CVIT)
日本心エコー図学会
日本心臓リハビリテーション学会
・資格
日本内科学会 認定医
日本循環器学会 専門医
・趣味
温泉に入ったり、お酒を飲んだりするのが好きです。
Q2.今までの実績
経歴に記載させていただきましたように、東予・中予・南予・県外と様々な地域で循環器内科として、主に循環器救急医療に関して研鑽をつんできました。愛媛大学に勤務してからは、臨床としては重症疾患の管理や弁膜症に対するカテーテル治療を、大学院生として臨床研究を、また日本循環器学会四国支部U-40のメンバーとして教育にも携わってきました。様々な医療圏で、臨床・研究・教育を行ってきた経験を生かして、西条への医療貢献ができればと考えております。
Q3.得意としている分野
循環器内科(心不全、虚血性心疾患、肺高血圧、動脈硬化性疾患)
Q4.愛大で現在積極的に取り組んでいること
臨床に従事しつつも、大学院生として臨床研究に取り組んでいます。心不全患者様の在宅データを用いた心不全増悪予測アルゴリズムの開発や、心不全診断マーカーであるNT-proBNPによる前心不全(Stage B心不全)の早期発見について、CAVI(心臓足首血管指数:動脈硬化の指標)を用いた生活習慣病予備軍における早期動脈硬化関連因子の検討、などの研究を行っております。
Q5.西条での当院の強みやアピールポイントは
心臓CT・心臓MRIを用いた循環器疾患に関する画像診断が当院の強みの一つだと考えます。虚血性心疾患においては、心臓CTで冠動脈の器質的評価を行い、心臓MRIのパーフュージョン撮影によってシンチグラフィより低コストに虚血評価を行うことができます。また、MRIのT1のプラーク評価撮影でプラークの質的評価を行うこともできますが、これはカテーテル前の治療戦略を立てるのに役立ちます。
他にも、心筋症の精査、先天性心疾患の検索など、虚血性心疾患以外の循環器疾患の診断に、当院の心臓CT・心臓MRIは活躍すると思います。
Q6.当院で積極的に取り組んでいることや今から取り組んでいきたいこと
心不全治療学講座の一員として、心不全診療に力を入れていきたいと思っています。心不全学会より発表された【血中BNPやNT-proBNPを用いた心不全診療に関するステートメント2023年改訂版】にて前心不全(BNP35≥pg/ml もしくはNT-proBNP≥125 pg/ml)という概念が提唱され、より軽症の段階から【精査または循環器専門医紹介】が推奨されるようになりました。大学と連携した重症心不全患者様への治療はもちろんのこと、このような背景から軽症例についても力になれればと考えております。
Q7.ぜひとも紹介いただきたい症状・所見
心疾患を疑う症状(浮腫、体重増加、息切れ、動機など)はもちろんのこと、原因がはっきりしない息切れなどでお困りでしたらご紹介いただけましたら幸いです。また、症状はなくともNT-proBNPやBNPが経時的に増加している症例など、早期の心不全が疑われることがありましたらご紹介を検討ください。
Q8.クリニックの先生へメッセージ
心不全診療は心不全徴候出現前のStageA・Bからの管理が重要と考えており、そのステージの診療を中心的に担っていただいております先生方には大変感謝しております。心不全徴候を認めた患者様はもちろんのこと、StageA/Bの患者様におかれましても、何かお困りのことがございましたら、微力ながらお力になれればと考えております。ぜひ先生方と連携を取らせていただきながら、地元西条の心疾患患者様の予後改善に貢献できればと思います。